北の縄文ニュースレター

2013.04.16

2013年3月2日 道民会議シンポジウム/縄文太鼓 茂呂剛伸氏

シンポジウムでは、ジャンベ太鼓・縄文演奏家の 茂呂剛伸氏による条問題湖演奏も行われました。また、演奏の合間に自作の太鼓などについてのお話もいただきました。

茂呂剛伸氏)お聞きいただいたのは、私が北海道の土とエゾシカの皮で作った縄文太鼓です。
私は小学校のころから札幌の隣まち、江別市で、和太鼓を奏者として修行を積んでいました。あるとき札幌の街角でアフリカの手で叩く太鼓・ジャンベに出合い、惚れてしまって現地で学びたいと思い、西アフリカのガーナ共和国で1年間、アフリカの太鼓の演奏と精神世界を学んできました。首都アクラから車で30分くらいのところで、ガ族という民族の30人ほどの村にお世話になりました。

和太鼓の基礎があった私は向こうに行ってすぐ気づきました。僕がアフリカ人の真似をしても、演奏家として到底追い抜けないだろうと。そして日本人として何ができるのか考えなければいけないと思いました。北海道に戻り、札幌大学名誉教授の原子修先生に出会い、北海道の縄文、続縄文の文化をもとに太鼓を作って発信してご覧なさいと助言をいただき、縄文太鼓を始めたのが約5年前です。
それから本当にたくさんのご縁があり、今日いらしている阿部千春館長とも出会い、いろいろな場所で演奏やお話をする機会をいただいています。おかげさまで明日は東京の美術館で演奏させていただく機会にも恵まれています。

今日の猪風来さんのお話でとても興味深かったのは、縄文には深い「古(いにしえ)」がある、ということでした。私は、大麻第五遺跡で出土した縄文土器にヒントを得、北海道で大きな問題にもなっているエゾシカの皮を有効活用できないかと考え、東京農業大学エゾシカ学の先生たちと一緒に研究してこの太鼓を作りました。
先ほどは「古の音」を聞いていただきましたが、次は現代の音です。オープニングでも叩いたこの太鼓は「縄文バズーカ」と名づけていますが、2010年の横浜国際芸術祭でも演奏させていただきました。今年5月18日には、60年に一度行われる出雲大社の「平成の大遷宮」で演奏させていただける機会をちょうだいしました。(拍手)ありがとうございます。
この古の響きと、現代の縄文の響きを、北海道から世界へ、演奏家として発信できればと思っています。和のリズムとアフリカのリズムを融合し、独自の演奏をさせていただきます。どうぞお聞きください。

(5分間演奏)

今日ここで演奏できたことを心より感謝申し上げます。
そしてこれから北海道が縄文文化を発信する力を皆さんでつけることができれば、うれしいと思います。私には夢があります。それは、太鼓演奏家という活動を通じて北海道に寄与することです。その一つとして、このようなシンポジウムで演奏させていただき、皆さんが楽しかったな、なんかいいもの聞いたな、と思ってくださって、また来よう、そして縄文を広めよう、と思っていただくことが私の役目であると思います。きっと1万年前もこんな風に太鼓を叩いていたのではないかなと思います。
また皆さんとお会いできる機会があろうかと思います。そのときは、「この前聞いたよ」と一声かけていただければありがたいなと思います。どうもありがとうございました。

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