お知らせ

2013.03.04

道民会議シンポジウム、無事終了しました

2013年3月2日(土曜)、たいへんな吹雪のなか、シンポジウムに120名もの方がご参加くださいました。シンポジウム会場誠にありがとうございました。

猪風来さんの縄文の根源のお話、新しい発見がたくさんありました。縄文文化交流センターの阿部さんとの対談も息がぴったりで盛り上がり、茂呂さんの縄文太鼓も身体に縄文のエネルギーが入ってくるように力強く、本当に素晴らしいシンポジウムとなりました。

これからもいろいろな活動を続けていきますので、ぜひご参加ください。——————————————————————————————————————————–

以下、講演の様子です。

■基調講演 猪風来氏(縄文造形家) テーマ「縄文造形は人類の根源美」

猪風来氏基調講演では、自らの作品写真を投影しながら縄文の心についてお話しいただきました。

猪風来氏は浜益村(現石狩市)で20年間、自給自足の縄文暮らしを実践し、多数の現代縄文造形作品を生み出してきました。縄文の心を理解するには、3度の開眼があったと言います。まず我が子をその手で取り上げたときの命の実感、次に竪穴住居で暮らすなかで感じた自然の命の尊厳、最後に断食を行うことで体得した生と死の再生、そうした命がけの経験を通して縄文の心をつかんできました。

猪風来氏が考える縄文造形の根源には、2つの核心的な要素があります。一つは「勾玉」、これはすべての生き物の最初の形であり、命の源となる形です。もう一つは「縄」で、命を守るものの象徴です。それらが多次元、多視点、多時間という重層的な構造をもって表現されることが、縄文造形の大きな特徴であると言います。近年、世界中で縄文文化への注目が急速に高まり、猪風来氏も各地で精力的に活動を続けています。私たちは今こそ、足下にある素晴らしい縄文世界の根源をつかみ、発展・応用させ、世界に発信していくべきである、と力強く語ってくださいました。

 

■縄文太鼓演奏 茂呂剛伸氏(ジャンベ太鼓・縄文演奏家) 茂呂氏

西アフリカ・ガーナ共和国でアフリカ太鼓の修行をした茂呂氏は、帰国後、日本人として何ができるかを模索し、縄文太鼓にたどり着きました。大麻5遺跡をヒントに北海道の土で太鼓の胴を作り、エゾシカの皮を張って縄文太鼓を手作りし、独自の音色を奏でます。「縄文バズーカ」と名づけた重さ30キロにもなる大きな太鼓は、いにしえの縄文とアフリカのリズムが融合した現代の響きです。

 

■対談 猪風来氏 × 阿部千春氏(函館市縄文文化交流センター館長)

テーマ「縄文から未来へ〜世界遺産登録に向けて〜」

対談10年以上前から交流のある猪風来氏と阿部氏の対談は、国宝・中空土偶の謎を解き明かす「かっくう対談」に始まり、縄文文化の世界観、そして世界遺産登録の意義まで、幅広い内容が展開されました。なかでも、中空土偶を最も間近で研究してきた阿部氏の専門的な見解は、土偶への興味がつのるお話ばかりで、会場の縄文ファンの心を惹きつけました。あらためて中空土偶を生み出した縄文人の技術の高さ、世界観の深さに驚く人も多かったようです。

縄文文化の世界観でもある「二項融合」の考え方、対立ではなく融合する心の重要性が現代に求められていること、またそこから新しい芸術が生まれてくる予感などについて、考古学と美術の世界が交差するようなダイナミックなお話を聞くことができました。

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